Euresysフレームグラバーがコーヒーベリーの高速選別を実現

Product / 12.2023


Xeltron高速検査装置は、Grablink Duo  Camera Linkフレームグラバーを使って精度とスループットを組み合わせています。

ビジョン産業において、農作物の検査は特殊な挑戦です。天然物は本質的に規格化できるものではなく、形状、色、熟度、水分などにばらつきがあるためです。

少ない生産量、大きな課題

コスタリカに拠点を置くXeltronは、コーヒー、ベリー、豆、およびナッツの色彩選別機を専門とするマシン製造メーカーです。会社独自の画像処理ハードウェアとソフトウェアを開発することにより、Xeltronは99.9%という高い精度を達成した乾物選別機を設計できました。このシステムは、垂直ローラーまたはシュートによって供給される特許取得済みの光学電子分析装置に依存していました。

Xeltronでプロダクトマネージャーを務めるMassoud Gouganiは、「この前例のない精度は最も高い品質基準を持つおお客様から高く評価されましたが、スループットが十分ではないため、手頃な価格でほとんどの大量購入者のニーズを満たすには設置面積が大きすぎました」と説明しています。

より高いスループットを達成するために、Xeltronはまったく新しいアプローチを取ることに決定しました。個別の光学分析装置を使って豆の流れを検査するのではなく、カーテンまたはストリームの両側にラインスキャンカメラを設置し、各豆の360°ビューをキャプチャすることにしたのです。この、両側からの検査によって、より高い速度でさらに高い精度を達成することが可能となり、同社の乾物用XVシリーズはフットプリントの縮小とともに大量を処理できるようになりました。

水平型ベルトコンベヤ選別機とは異なり、Xeltronのエンジニアは同じラインスキャンカメラのカラー分析のコンセプトを使用して、連続したカーテンのように垂直に落ちる湿ったベリーの流れを検査するXLTシリーズ色彩選別機を設計することで、モーター、ローラー、ロール、およびベルトコンベヤの使用を排除し、その高額なメンテナンスコストを削減しました 。
 

高解像度・高速画像取り込み

新しいコンセプトには高速画像取り込みと処理パイプラインが必要でした。Xeltronはハイエンドカメラを製造する日本のメーカーに高速ラインスキャンカメラを求め、Camera Linkインターフェースと4Kピクセル解像度を備えたHD RGBを選択しました。

フレームグラバーにおいては、このカメラメーカーと長くパートナーシップを結んできたEuresysが推薦されました。

Xeltronは最初に2台のカメラをCamera Link Baseコンフィギュレーションで実行するEuresysのGrablink DualBase Camera Linkグラバーを選択しました。その後Euresysは最新世代のGrablink Duoボードを推奨し、スムーズな置き換え作業の支援を提供しました。


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Euresys Grablink Duoには、1台のFullコンフィギュレーションまたは2台のBaseコンフィギュレーションのCamera Linkカメラに使用するCamera Linkポートが2つ搭載されています。そのPCIe Gen 2 x4バスにより、Xeltron独自のホストプロセッサへの高い画像データスループットを実現しています。

Xeltron独自の色とサイズのグレード評価ソフトウェアは、リアルタイムで画像処理を実行し、高速バルブをトリガーして不適合のベリーまたは豆と異物を流れから排除します。

こういったデザインへの取り組みから生まれたのが、湿ったコーヒーベリーを選別するXeltronのXLTシリーズと乾物を選別するXVシリーズの選別機です。最先端テクノロジーの導入により、XLTとXVシリーズは95%~98%の精度を達成し、XLTシリーズではシュートごと1時間あたり平均スループットは4トン、最大は16トンを、XVシリーズでは審査される製品に応じて1時間あたり1~18トンのスループットを実現しています。
 

成功の鍵はコラボレーション

プロジェクトマネージャーのGouganiは、「大量購入者の品質とコストの要件を満たせる新しいXLTモデルにより、お客様は出来高を最大化できます」と喜び、「弊社はEuresysのフレームグラバーそのものだけでなく、統合段階でご提供いただいた技術サポートにも完全に満足しています。要件を満たすためのこの緊密なコラボレーションがプロジェクトの成功を導いたのです。」と述べています。