新世代のカメラとフレームグラバーで、従来技術のデータストリーミング速度が2倍に

Product / 03.2019


これまでになく高度なストリーミングデータスループットを達成する新世代のカメラとフレームグラバーにより、医療診断や製造検査といった多くの用途で大幅な改善を実現することができます。目下の論点では、マイクロ流体光学に基づく診断技術である画像フローサイトメトリーは、患者の血液中の単一の細胞を非常に高いスループットで視覚化することによって細胞を診断できるように開発が進められています。このアプローチにより、小さなサンプルや利便性の低い検査手法ではほぼ検出されることのない、非常に低い濃度で発生するがん性腫瘍やその他の細胞の検出が可能となります。マシンビジョンのより高いデータスループット速度と分解能により、電子機器製品のより微小な欠陥をこれまでの技術を上回る速度で検出することができます。





 

センサーの画質とダイレクトデータ転送速度の向上においてカメラメーカーは大きく躍進し、これまでにない分解能とデータ速度で画像をストリーミングできるようになりました。たとえば、Vision ResearchPhantom S990は、最大938FPS (毎秒フレーム数) 9メガピクセル (K) の画像をストリーミングします。これは、毎秒およそ9ギガピクセルのデータ速度です。このレベルのスループットは、カメラストレージのダウンロードと以降の分析では以前から存在していますが、今日の研究者やエンジニアは、現実的な問題に素早く適用できるように、リアルタイムでデータをキャプチャ・表示・分析できる能力を必要としています

このように高い速度でデータをキャプチャするための最善のアプローチは、これまで、4つのCoaXPress 6.25 ギガビット (CXP-6) フレームグラバーを使用して、単一の75 Ohm同軸ケーブルで毎秒6.25ギガビットを提供するスタンダードCXP-6チャンネル16個にデータをストリーミングすることでした。CXPは、マシンビジョンカメラとフレームグラバーの高速インターフェイスとして、50社を超えるベンダーがサポートしています。拡張性に富んでおり、複数のケーブルを使用して、各チャンネル当たり6.25 Gbpsずつ帯域幅を増大することができます。 

毎秒9ギガピクセルというPhantom S990のフル速度をサポートするには16個のCXP-6チャンネルが必要であるにも関わらず、これまでに提供されてきたほとんどの強力なフレームグラバーがサポートできたのは最大4個であるところに課題があります。これらのカードを装着する上で必要なPCIe (PCI Express) スロットを4つ備えているコンピュータはほとんどなく、特に、この種の用途には通常グラフィックカードが必要であることを考慮すれば、なおさらです。 さらに、4個のフレームグラバーが必要となれば、用途のコストもさらに高まってしまいます。

Coaxlink Octo

Euresysは、8個のCXP-6接続で合計5,000MB/秒のカメラ帯域幅を提供するCoaxlink Octoの導入により、この課題を克服しました。このフレームグラバーは、以前に最速とされていたフレームグラバーの速度を2倍にした、業界最高のデータ取り込み速度を達成しています。



























最速のデジタルカメラをサポートする上で必要となる新しいCoaxlink Octoフレームグラバーの数はわずか2個であるため、ほとんどのコンピュータのPCIeスロット数で簡単に対応することができます。また一般的に、新しい8チャンネル フレームグラバーのコストは、取り替えることになる2個の4チャンネルフレームグラバーより35%減となります。

 

Phantom S990カメラ

Phantom S990カメラは、それぞれ4つのポートで構成される4つのバンクでデータを出力します。各バンクは画像の2つの列をストリーミングし、次々と下に向かて画像センサを移動することで、画像全体をストリーミングします。Coaxlink Octoフレームグラバーは、その出力を拾って画像全体を再構築します。画像の復元プロセスは、ダイレクトメモリアクセス (DMA) を介してすべてハードウェアで行われるため、CPU時間を消費することはありません。Euresysでは、高速カメラへの対応をご検討の皆様が出発点としてご利用いただけるように、Phantom S990などの特定のカメラを対象としたサンプルプログラムを用意しています。


Mementoデバッグツール



Coaxlink Octoフレームグラバーには、カメラ、フレームグラバー、ドライバ、およびアプリケーションに関するイベントを正確にログ記録するMementoデバッグツールも含まれています。このツールは、コンテキスト情報やロジックアナライザビューにより、すべてのストリーミングデータで発生するイベントの正確なログをタイムスタンプ付きで提供するものです。その精度はほぼ1ミリ秒であるため、ケーブル、トリガ、バッファの問題の特定といったタイミングに関わる問題のトラブルシューティングに最適です。

CoaxlinkドライバはGeniCam100%完全に互換しているため、規格に準拠するすべてのフレームグラバーで実行できます。

新しいカメラとフレームグラバーを組み合わせたアプリケーションの例として、血液検体中の循環がん細胞 (CTC) に関する従来的な低感度の臨床試験は、検体に存在するCTC109個の血液細胞当たりおおよそ1個であることから、CTCの検出は失敗に終わることがほとんどです。一部のケースでは、転移したがん細胞の検出が困難で、治療されないこともあります。フローサイトメトリーでは、患者の各細胞の画像を分析することによって、さらに低い濃度でCTCをより素早く検出することができます。フローサイトメトリーは、この方法で、稀な白血病、扁平上皮がん、黒色腫、および乳がんのCTCを検出し、治療が可能なうちにがんを発見できる確率を高めることができます。

Phantom S990Coaxlink Octoフレームグラバーを組み合わせることにより、フローサイトメトリーやその他多くのアプリケーションにおいて、比類のないパフォーマンスが達成されます。試験は、現在市販されているカメラやフレームグラバーに必要な時間の半分で実施することも可能であり、患者の感じる不快感や試験の費用を大幅に縮小することができます。このように、このカメラとフレームグラバーの新たな組み合わせには、ビジョンデータストリーミングのスループットを現行技術の2倍し、さまざまなビジョンアプリケーションに多大な利益をもたらす能力が備わっています。