ライブスキャン用途の単純化

ライブスキャン用途の単純化
Application Note

ラインスキャン アプリケーションの開発とセットアップを簡素化する機能

フレームグラバー
Line-scan

はじめに

ラインスキャン用途の開発は、エリアスキャン用途よりもはるかに複雑と思われることがよくあります。このテクニカルノートでは、Euresysフレームグラバーが提供する機能のうち、ラインスキャン用途の開発とセットアップを単純化する機能について説明します。

レートコンバーター

ラインスキャン用途を開発する際に取得した画像のアスペクト比を一定に保つには、モーションエンコーダを使用する必要があります。ただし、一般に「スクエアピクセル」と呼ばれる、運動と横移動で同じ解像度を得るには困難な場合があります。必要とされる1回転あたりのパルス数を備えたモーションエンコーダが常に入手できるとは限りません。

あらゆるセットアップでスクエアピクセルを達成するために、Euresysはレートコンバーターを提供しています。

レートコンバーターはEuresysのすべてのフレームグラバーに実装されています。レートコンバーターは、モーションエンコーダが発行する信号の周波数を逓倍または分割するため、レートコンバーターを使用すると、モーションエンコーダの解像度よりも高いまたは低い任意の解像度 (プログラム可能) でラインを取り込むことができます。

ラインスキャン用途をより高い解像度に向けて進化させる必要がある場合は、通常、カメラやCIS(コンタクトイメージングセンサ)だけでなく、モーションエンコーダの変更も必要です。レートコンバーターを使用すると、逓倍/分割の因数を更新するだけで、画像解像度を増加しても、同じモーションエンコーダを保持することができるため、システム設計者は驚くほど自由かつ柔軟に、ラインスキャン用途の開発を進められます。

後退モーションキャンセル

Euresysのフレームグラバーは直流モーションエンコーダーをサポートしているため、AとBのフェーズをデコードして、前進と後退のどちらの方向に向かって部品が移動しているかを検知 で き ま す 。 低速では、運動を開始する際に、後退移動が観測されることがあります。

後退運動が検出されたら、Euresysのフレームグラバーにラインの取り込みプロセスを停止するように指示することができます。前進方向の運動が再開すると、自動的に取り込みが中断した位置で取り込みが再開されます。

遅延ツール

ラインスキャン用途では、できるだけコンパクトにシステムを設計するのが主流となっています。利用可能スペースが制限されているため、ラインスキャンカメラと同じ場所に存在検出器や近接センサーなどを設置するのは必ずしも可能とは言えません。

サイズに限りのある離散オブジェクトを検査する場合、通常、スキャンの開始時に存在検出器が使用されます。存在検出器がカメラよりも上流に設置されている場合、スキャン開始イベントを、オブジェクトが実際にカメラの視野に達するまで延期する必要があります。このタスクを達成するために、Euresysのフレームグラバーには、オブジェクトの検出とスキャン開始の間に遅延を導入する遅延ツールが搭載されています。この遅延はエンコーダのティック数で表現され、あらゆる速度の違いを確実に考慮します。

C2C-Link

検査対象のエリア全体を網羅するには、複数のカメラが必要となる場合があります。この場合、すべてのカメラで取得を同期することが必要です。このタスクを達成するために、 EuresysのフレームグラバーはC2C-Linkと呼ばれる機能をサポートしています。

C2C-Linkは、同じフレームグラバーに接続されているカメラ、同じコンピューター内の異なるフレームグラバーに接続されているカメラ、または別のコンピューター内の異なるフレームグラバーに接続されているカメラを正確に同期することができます。同期はマスター/スレーブアーキテクチャによって管理されます。マスターボードはすべての信号を受信して、それらをスレーブボードに伝播し、すべてのカメラがまったく同時にラインを取得することを保証します。

ユーザー操作スケジューラー

検査結果に応じて、ステータスランプ、カッター、エジェクター、スタンパーなどの外部デバイスの作動が必要となる場合があります。これらのデバイスと画像の取り込みプロセスの同期は、通常、エンコーダーのティックカウンターに基づきます。

Euresysのフレームグラバーに搭載されているユーザー操作スケジューラーツールは、ユーザーイベントを生成するか、出力ラインの状態を切り替えることができます。これにより、フレームグラバーに接続されている外部デバイスの稼動を正確にスケジュールすることができます。ユーザー操作スケジューラーは、最大576件の操作を同時に保存することができます。

メタデータ

基本的に、メタデータとは各画像ラインの最後にアペンドされる追加バイトを指します。 メタデータはフレームグラバーのI/O状態、それまでに取り込んだライン数、エンコーダーティックの位置、パルスまたはイベントカウンタの値などを報告するために使用されるものであるため、特定のラインが取得された時のシステムのスナップショットを提供します。メタデータは、たとえば離れた場所にある別々のカメラが取り込んだ画像を照合することを目標としています。また特に、ラインスキャン用途の動作を検証する場合にも有効であり、特定のラインが期待される時刻に取得されたかどうかを検証することが可能です。このことは、ラインスキャン取得に複雑なストロボシーケンスが伴う場合に特に重要です。

画像のスティッチング処理

検査対象のエリア全体を網羅するために複数のCISが必要となる場合、これらは通常互い違いに設置されます。これは、並んで設置されたCISの間でピクセルが損失するのを回避するためです。

この場合、ステッチング処理を行う際に、横方向の重なりと運動方向の移動を解決する必要があります。EuresysのフレームグラバーはDMAエージェントであるため、画像のスティッチング処理はDMA転送によってその場で実行されます。CPUや画像コピーは不要です。

Euresysフレームグラバー

Euresysフレームグラバーは、1本のラインも失わずに無限に連続的に移動する表面を検査する連続ウェブスキャニングと、カメラの前を移動するオブジェクトの画像を取得するための離散オブジェクトスキャニングをサポートしています。

設計から実装監視まであらゆる機能が揃っているため、マシンビジョン開発者は、実績のある1つのツール セットをさまざまなラインスキャン実装で使用することができます

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  • ラインスキャン技術
    ラインスキャンに関する当社の技術ページをご覧ください。
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  • Euresys ラインスキャン取得モード 日本語
    このビデオで Euresys のフレーム グラバーの機能をご確認ください。
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